GoToキャンペーン問題を見て、冷静に分析してみた
世間では新型コロナウィルス第2波が、、、
ということで、再び不安・混乱の状態に突入しようとしています。
(私からすると、自然科学や生態学は常に波形を描いて推移するので、こんなもの当たり前の動きだと思っていますが、、、)
さて、そんな状況ですが、
国内観光需要喚起を目的とした
「GoToキャンペーン」
が連日物議を醸しています。
普通に考えると
「こんなタイミングでやるなんて何を考えているのか!?」
となり、運用は見送るべきだろう!
という結論に至りますが、それだけでは芸がないので、
なぜこういうことが起こるのか?
もう少し掘り下げて考えてみたいと思います。
今回の問題のケースに近いこととして、
システム思考を理解する際に用いられる
「ビールゲーム」
というものが当てはまると感じました。
(参考wiki:
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%93%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%A0 )
ビールゲームでは、急に需要が変化する中で、
ビール商社・小売店の発注量がどのように変化するかを
ゲームを通じて体験することができます。
ビールゲームでは、
①ビールを購入する消費者
②ビールを販売する小売店
③ビールを卸売りする商社
④ビールを製造するメーカー
という4つの観点から、需要と在庫の動きを見ることができます。
ストーリーとしては、普段それほど販売数量が多くないビールが、
ラジオ番組であるアーティストに取り上げられたことで、
一時的にブームになっていく、、、という話です。
内容は細かく書きませんが、どういうことが起こるかをまとめると、
・小売店は需要が来たと思い、どんどん発注する
・商社は小売店からの注文伝票増加とメーカーの生産量の限界に挟まれる
・商社は小売店への納品数量を制限する(配達が遅くなる)
・消費者は小売店に予約をどんどん入れる
・小売店は商品がまだ届かないにもかかわらず、どんどん発注をする
・ブームが終わる
・消費者は予約をキャンセルする
・小売店と商社は多くの在庫を抱える
・商流全体が大きな在庫を抱える(=全体的にマイナスの結果となる)
という流れになります。
文字で見ると当たり前に感じるかもしれません。
しかし、ここで重要なポイントとして、
何故、こういうことが起こるかというと、
「需要」に対して「生産・納品」にタイムラグがあるから、
ということが挙げられます。
(もちろんそれ以外にも様々な理由は挙げられますが、本質的な課題はこのリードタイムに収束すると私は見ています。)
さて、GoToキャンペーンを上図のような形に当てはめると、
次のような図になると見ています。
政府・予算の執行と民間感覚のズレは、
①政策形成・予算審議
②政策決定・予算交付
にかかる時間と、
現場で起こっている事態の変化
に対するタイムラグが原因の背景にあるのかな?なんて思います。
で、どうすれば上手くいくかな???
なんて、私なりに考えてみたのですが、
これほど環境が激変し、
地域ごとの対応が求められる、
予算執行についてもフレキシブルかつスピーディーな対応が求められる、
となってくると、
①各地域のリーダーである都道府県知事に予算執行権限を委譲する
②上記、緊急対策に関する予算は「都道府県ごとに基金化」する
(基金条例も柔軟にできると良いなぁ(;’∀’))
③予算使途は、GoToキャンペーンの趣旨から大きく外れない範囲で、地域の実情に応じて柔軟に執行できる。
と、できたら良いんじゃないかな?と思います。
とは言いつつ、なかなか難しいんでしょうね((+_+))