PDCAサイクルが上手く回せない企業にありがちなこと
ここ最近、経営コンサルタントというより政策形成に関するお仕事に関わる時間が増えています。
行政がどのように計画を立て、予算を立て、実行していくか、
そのための基礎調査、分析などなど、、、
普段と違った観点で物事を考えなければならないため、
難しさと新たなやりがいを感じていたりします。
今年も各都道府県の経営指導に携わる県職員を対象に、
森林組合の経営指導に関する研修講師を務めさせて頂くなど、
これまで積み重ねてきたことが、本当に僅かですが、
日本のお役に立てているような気がして嬉しく思ったりします。
さて、政策形成のお仕事に携わっていると、
必ずと言っていいほど耳にする言葉があります。
それは、
「バックキャストで物事を考える」
という言葉です。
(いつから流行りだしたんでしょうね?)
行政は長期目線で物事を決めてロードマップを描き、
1歩・1歩、今年は何をする?来年は何をする?
といった実行策を立てる必要があるため、
バックキャスト思考は極めて重要となります。
民間企業経営ではそれを
「経営ビジョン」
とか
「中長期経営計画」
とか表現するので、
私としては「当たり前のこと」だったりしますが、、、
そして、バックキャスティングする過程で毎年・毎年の目標を定め、
各年度の行動計画や目標を定め、評価するために
「PDCAサイクル」
を活用することが一般的ではないかと思います。
、、、さて、こうやって言葉で表現すると、
「そりゃそうだ、当たり前でしょ?」
となりそうな話ですが、
日本でPDCAサイクルをうまく回し、
反省・改善に結び付けることができている企業はそれほど多くありません。
むしろ、中小企業に至っては、
「PDCAサイクル?何?」
という感じで意識すらしたことが無いレベル感かもしれません(;^_^A
やや使い古されてしまった感のあるPDCAですが、
私は「良くできたフレームワークだ」と捉えています。
(使いこなせない人は新しいものに手を出したがりますが、
はっきり言って「新しいもの=正しいもの」ではありません)
一般的にPDCAサイクルは
PLAN:計画
DO:実施、実行
CHECK:評価
ACTION:改善
であるとされているように思います。
これ自体は特に問題ありませんが、
一番肝心であり、難しいとされている
CHECK:評価・反省
が、どちらかといえば
「何故、できなかったのか?」
など、失敗の原因を探るようなニュアンスで
捉えられている点に問題があります。
これだけ不透明で、不確実性が増している状況で、
失敗した原因を追究されてもたまったもんじゃないですよね(;^_^A
では、どうすべきか?というと、
「上手くいった事例を成功体験として評価する」
「上手くいった事例をもっと上手くやれないか、前向きに検討する」
ためにPDCAサイクルを回す、というのが正解になります。
いわゆる「成功体験を積み重ねる」ということですね(^^)/
そうやって考えると、
PDCAサイクルを回す会議とか、
PDCAサイクルを回す時間は、
もっと楽しく、前向きな場になるはずです。
(実際はドーン暗く、重たい会議ばかりで私もしんどいです)
さて、PDCAサイクルの話を取り上げましたが、
バックキャスト思考という考え方も、
PDCAサイクルと同じような落とし穴に落ちる可能性が高くあります。
理想とする姿、目標とする姿を描き、
そこから逆算して目標達成に向けて取り組む。
その過程で、目標と計画にずれが生じた場合、
先に目標が設定されているため、
「できなかった理由に議論がフォーカスされてしまう」
ということです。
不透明で不確実性が増している時代だからこそ、
「目標からのバックキャストありき」
に固執することなく、
「できたこと」
「上手くいっていること」
にも目を向けながら、
「フォアキャスト思考」
を取り入れて、柔軟に目標を変えていく、
そんなやり方がこれから重要になってくるんじゃないかな?と思います。
、、、そんな考えもあって、当社の経営ビジョンはますます
ボヤっ
としてきました (笑