人材育成は難しいが、王道はある①
先日、とある業界で日本トップクラスの事業規模・業績を誇るお客様先で、社内昇格試験の模擬試験を実施しました。
今回は店長さんたちに2年目社員向けの試験を受けて頂き、難易度や設問内容などについて意見交換を交わす目的で実施しています。
ちなみに、私はこの業界について全くの無知ですので、「全く見当はずれのことを聞いている」とか「こんな試験、意味があるの?」とか言われないかドキドキの模擬試験です。
結果は上々の手ごたえでしたのでホッと一安心、本当に良かった、、、
今回強く思ったのが、好業績企業ほど人材育成にかなり力を入れているということです。
その後に訪問した製造業の企業様も3年で年商が2倍へと成長していますが、とにかく人材育成に力を入れ、好業績を実現することができました。
(その時に即興で「業績が停滞している製造業の社長は「製品」「品質」を自慢し、好業績・成長している企業は「人材育成」を自慢する、と言いましたが、なかなか江越、良いこといったなーと思います。)

人材育成は大事だと思うが、なかなか難しい!成果が出ない!
そう考える企業は日本中にたくさんあると思います。
人材育成については正解が無く、一人一人向き合って考えていくしかないように思う方が多いと思いますが、私は人材育成に王道があると思っています。
王道にたどり着くためには、2つの考え方が重要になります。
まずは次図、社員がどのようにして学び・理解し、行動を変えていくか解りやすく示してみました。

この図から解るように、知る→体験する→気付く→改善を重ねる→判断できる→当たり前のようにできる、という流れで人は学び、成長していくワケです。
私が提供するワークや仮想体験ゲームなどを交えた研修は、このうち「知らない」から「やってみる」のステージに辿り着くことを目的にしているんですね。
その後の振り返りや講義というのは「やってみる」から「解る」に辿り着くことを目標に、様々な気づきを与え、振り返り、自ら改善できるようになることを目指しています。
もうひとつ大事な考え方として、シングル・ループ学習、ダブル・ループ学習・トリプル・ループ学習、という3つの学習に対する考え方あります。

シングルループ学習とは、過去の学習や成功体験から来る「ものの見方・考え方・行動の仕方」から問題解決を図り、学習する方法です。
どうやって自転車に乗ろう、転んで転んで、ケガしながら学んで、何となく乗り方が解ってきた!みたいな感じですね。
この方法では、現在の問題の延長線上にある解決策を追及することになりますので、製造業では「生産性を高めるために、素早く動く」みたいな思考回路に陥ってしまいがちです。
私の大好きな林業分野では、1日の伐倒本数を上げるためには無駄なく素早く動いて、素早く本数を多く伐るんだ!!みたいな感じかな????
次に、ダブルループ学習とは、「根本的な問題、真因」などに目を向け、モノの見方を変えるなどし、本当に取り組むべきことに焦点を充て、改善を図るという取り組みになります。
自分で書いててなんですが、難しいですねー!
ダブルループ学習へと向かうには、これまでの思考回路やモノの見方を変える必要がありますので、社内で積み重ねてきたノウハウだけでなく、社外の知識、考え方など、社会人一般としてのトレーニングが必要になります。
実は、好業績企業はある程度まで人材育成すると、業務に直結する知識・技術の研修だけでなく、広く、一般的な知識も交えた研修にしっかりと取り組んでいるんです。
最後にトリプルループ学習、これはとっても難しい、、、
ダブルループ学習を重ね続けることで、その問題が起こっている背景・風土・組織文化・力関係など影響力といったところまで掘り下げ、「適切・不適切の判断基準」まで踏み込んで物事を考える力を養うことを目指します。
このステージに辿り着くと、組織のビジョンやミッションなどにまで考えが広がり、行動自体を変えることができるようになります。
この辺りはまた事例を挙げながら説明をしていきたいと思いますが、「最初に挙げたフロー」と「シングル・ダブル・トリプルループ学習」って、実は密接に関連しているんです。
ブログが長くなりましたので次回に続く・・・