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コラム

ちょっと変わった排水施設

前回は雨水の流れやそれによる災害についてご説明しました。今回はそれらの対策として生まれた、ちょっぴり変わった設備をご紹介します。

一つ目は浸透側溝(ポーラスコンクリート側溝)です。
普通の側溝は雨水が円滑に流れるように設計されていますが、この浸透側溝は流れる水を少しづつ地中へ浸透させていく側溝です。
普通の側溝は密実なコンクリートで生産されますが、浸透側溝はセメントペーストに粗骨材等を加えることで、連続した空隙を多く含ませ雨水を浸透することが出来ます。

↑↑↑マテラス青梅工業株式会社様のポラコン側溝です↑↑↑

二つ目は浸透管渠(ポーラス管・トレンチ管)です。
地中に埋設されている管渠の内、ポーラス側溝と同様の構造で作られるポーラス管や、管渠そのものに水抜き穴があるトレンチ管があります。一般住宅等で雨水マス間に設置されることがあります。浸透側溝と同様で水が流れながらも少しずつ、地中へと雨水を浸透させる効果があります。

三つ目は雨水浸透貯留槽(リスレイン等)です。
弊社が設計時によく使う製品「リスレインスタジアムⅡ」を例にお話しします。これはプラスチック製の部材で構成され、雨水を貯留・浸透させることで沈砂池や調整池の役割を果たし流出抑制を実現しています。一つ目の側溝と違ってどんなものかイメージし難いと思います。それもそのはずで、この雨水浸透貯留槽は商業施設や住宅の駐車場等に埋設されているのです。

最後は”道路”です。
道路なのに排水施設??と思いますが、道路の中には透水性舗装という、雨水を浸透させることが出来る舗装があります。公園やおしゃれな住宅街の歩道で見られるような「インターロッキングブロック」や、ぱっと見ただけでは分からない「開粒度アスファルト」などなど。この透水性舗装は地下水の涵養のほか、流出量を軽減する効果があります。

インターロッキング
透水性舗装(ぱっと見分かりません)

こういった雨水の流出を抑制する施設は、昔だったら田畑や土壌に染み込んでた雨水が、都市開発による宅地化や道路整備等によって浸透しなくなり、そのまま流れてしまうようになったために増えています。

住宅や建築物を建てようとする際に、開発許可が必要になったり、特定都市河川流域に該当する場合等、これらの対策が必須となるケースがあります。
当社ではこういった排水量計算や抑制対策の検討、許認可の取得を取り扱っていますので、お気軽にご相談ください。

森 友梨奈

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